2008年05月03日

ディベート形式で考える暫定税率(復活派編)

(マリン)

 マリンです。昨日から暫定税率が復活。暫定税率は本当に復活させなければならなかったのか。復活派と廃止派それぞれの立場に立って、暫定税率を論じてみたいと思います。今日は、暫定税率復活までの手続きと、暫定税率復活派の論理を紹介します。

 自民党は、暫定税率を復活させるために、暫定税率の期間延長が明記された「税制改正法案」を、衆議院で3分の2以上で再議決する必要がありました。手続き上、衆議院で通った法案を再議決するためには、参議院で法案が否決されなければなりません。しかし、「税制改正法案」は参議院で審議が止まっていて、当分議決されそうにない。そこで自民党は、憲法第59条4項の「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる」という規定をつかい、参議院で税制改正法案が否決されたと見なして、衆議院の3分の2で法案を再議決するという戦法をとりました。
 自民党のこの動きに対して民主党は、先日の山口2区補欠選挙の結果をもって、「民意を無視した暴挙だ!」とお怒りのようですが、この批判は的外れ。そもそも山口2区の結果だけを見て、そこに日本全体の民意が現れたと見るのは強引だし、自民党がとった手続きは憲法に沿ったもので、問題はありません。

 では、なぜ暫定税率をすぐに復活させる必要があったのか。「道路が必要だから」というのは、必要・不必要の基準がはっきりしないのでダメです。今回、自民党などがいちばん強調していたのは、国およびすべての自治体が、すでに暫定税率分の税収を見込んで予算を組んでしまっているという理由です。予算は民主的な手続きを経て可決されますから、補正予算という例外を除いて基本的に変更は許されず、法律と同等の強い拘束力を持ちます。そのため、予算案はとても綿密につくられます。首長や議員、その他のステークホルダーの意見をうまく取り入れ、最終的には歳出と歳入が一致するように編成します。この作業は、こっちを立てれればあっちが立たずといった感じで、すごく大変。しかも1年間の金の使い方をすべて決めちゃうわけですからとても重要です。暫定税率が期限切れを迎えたのは2008年3月31日でしたが、国も自治体も当然それが4月以降も延長されるものと考え、08年度予算を組んだわけですが、これが誤算でけっきょく期限切れになってしまった。 暫定税率が一時的に廃止された4月のあいだに、国は1200億円、地方は600億円の税収減となりました。つまり、国と地方あわせて1800億円分の道路整備・道路建設が執行できなくなったのです。08年度の道路特定財源のうち、暫定税率分は2兆5千億円程度。これが全部ストップしたら、道路はボロボロになり、地域経済を支える建設業も致命的なダメージを受ける。その最悪の事態を避けるために、一刻も早く暫定税率を復活させなければならない。簡単にまとめると、これが暫定税率復活派の論理です。

 次の投稿では、暫定税率廃止派の主張を見ていきます。

posted by 西嶋一泰と松原真倫 at 00:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
公共事業、特に道路事業が、地方の地域経済の下支えであり、、暫定税率の復元で、その財源確保が図られたことになる。しかしながら道路整備の実態は、地域経済を活性化させる有効な投資となつておらず、失業対策事業と化しているものがほとんど。今回、都道府県、市町村における公共事業に特化した予算配分を見直す、絶好の機会であった。国もその道路利権が顕在化したが、地方も同様、自民議員の半数は、土建会社を経営しており、その利権を見直す良い機会であったが、この機会も失った。政権交代でも、自民の改革でもよいが、次の選挙を経て、今の国地方の不必要な公共事業中心の予算配分を見直すべき。
Posted by ショウニン at 2008年05月03日 20:47
暫定税率廃止派の意見はどういったものなのか?
廃止した際、その分の財源はどこから調達するつもりなのか、など、色々気になります[E:shine]
Posted by のんぶ− at 2008年05月04日 00:05
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